一杯の珈琲に魅せられて。
夫婦で営む本格派の珈琲店
静岡県榛原郡吉田町に、深煎り珈琲をこよなく愛する夫婦が営む珈琲店があります。
店の名前は、自家焙煎珈琲豆シロネコ。全ての商品のパッケージに猫のイラストが印刷されています。
シロネコのWebサイトを見てみると「一杯の珈琲に魅せられ珈琲屋になることを決意。」という文字が。
2人と珈琲の出会いはどのようなものだったのか、話を伺いました。
自家焙煎珈琲豆シロネコを営む鈴木友也さんと鈴木ひろ子さん。お店を開く前は2人とも同じ会社で勤務していました。当時友也さんは全く珈琲好きではなかったようで、「ただ苦い飲み物という認識だった」と話します。
2人の人生が大きく変わったのは2007年。深夜・早朝勤務と不規則な生活が続いたことから、「普通の生活をしたい」と2人で会社を退職。映画鑑賞やカフェ巡りなど、在職時にはできなかったことを楽しんでいた際に、偶然立ち寄った藤枝市の珈琲屋さんで「珈琲ってこんなに甘いんだ」とその味わい深さに感動、進んで飲むようになりました。
再就職後も2人の珈琲への興味は尽きることがなく、自分で珈琲豆を煎ってみたり、珈琲の本を購入してみたり、焙煎用の機械を購入したり。「お店を持ちたい」と話し始めてからはマルシェでの珈琲販売も経験しました。
仕事と開業準備をなんとか両立させ、2013年に自家焙煎珈琲豆シロネコを開業。友也さんが焙煎をし、ひろ子さんが店舗やパッケージのデザインを手がけています。パッケージに描かれている猫は、2人が実際に飼っている猫をひろ子さんが自身で描いたものです。
2人に珈琲の魅力について聞いてみると、友也さんは「毎回味が違うこと」と回答。
「同じ農園の豆でも年によって違いますし、焙煎した後にどれだけ寝かせるかでも変わります。新鮮な方が良いと一般的には言われていますが、2週間じっくり寝かせたほうがおいしいことも。そういった味の変化を楽しめるのが魅力の1つです」
ひろ子さんも「同じ豆を使っていても、自分で淹れたものと、主人が淹れたものでは味が違っていて、不思議だなぁと思いますね」と話します。2人で珈琲を飲む際は、どの豆で淹れたのかちょっとしたクイズになる時もあるようで、これが意外と当てられないのだとか。
豆の品種や産地、焙煎方法や淹れ方によって複雑に変わる珈琲の味わい。そのゆらぎを愛する2人が作る珈琲はどのような味なのでしょうか。
そもそも焙煎とは、コーヒーの生豆を加熱し水分を飛ばす作業のことを指します。
焙煎をすることで、コーヒー独特の苦味や香りといった風味が出るのですが、どの品種の豆を使用するか、焙煎の時間、度合いなどによって風味が大きく変化する為、焙煎士の技術力が問われます。
コーヒーの焙煎が始まったきっかけは定かではなく、「僧侶が焚き火の中にコーヒー豆を落としてしまった」「山火事でコーヒーの木が焼けてしまった」といった偶然の出来事により、熱されたコーヒー豆からとても良い香りがしたから。と言われています。
少なくとも15世紀には中東で焙煎に使われたとされる道具が発掘されていることから、その頃には焙煎技術があったようです。19世紀後半にアメリカで「バーンズ焙煎機」が開発され、大量焙煎が可能になり、コーヒー産業は急速に発展。品質向上を目的に、焙煎の技術が洗練され、様々な焙煎度合いが生まれました。
コーヒー豆の焙煎度合いは大きく分けると「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3段階。これを細分化すると8段階に分かれ、「ライトロースト(極浅煎り)」「シナモンロースト(浅煎り)」「ハイロースト(中煎り)」「フレンチロースト(深煎り)」「イタリアンロースト(極深煎り)」などと呼ばれます。
浅煎りは加熱時間が短く、生豆による酸味が出るためフルーティーな味わいに。中間である中煎りは酸味・苦味・甘みのバランスが良く、日本人は特に好むと言われています。
自家焙煎珈琲豆シロネコが販売している深煎りは、苦味や香ばしい香りが特徴。また、焙煎によってコーヒー豆内部にある脂質「コーヒーオイル」が染み出てくるため、コクが出たり、味わいがマイルドになるんですよ。
にほんコッソリ良品店で発売するギフトに入っているのは、シロネコブレンド、ショコラブレンド、ラテベース2本、シロネコブレンドのドリップバッグ5袋入り3パックの計7点。
シロネコの深煎り珈琲を存分に楽しむことができます。珈琲の淹れ方と保存方法をまとめた冊子も付けてお届けします。
「最近は浅煎り珈琲が人気ですが、深煎り珈琲の良さも知ってもらいたいです。苦いイメージがあるかもしれませんが、苦味よりもその中にある甘みやコクが印象に残るような焙煎にしています」と話す友也さん。深煎り珈琲の深い世界にどっぷりと浸ってみませんか?
静岡県榛原郡吉田町は静岡県中部に位置し、大井川と駿河湾に面した町です。
吉田という地名がついたのは室町時代初期のことで、土地に一面の葦が生い茂っていたことから、当時開拓を始めた人々が「葦田(あしだ)」と名付けました。しかし、葦田=悪し田と繋がり縁起が悪いと考えられた為、葦を吉と呼び替え「吉田」になったと言われています。
特産品の1つが「吉田のうなぎ」。大正時代、大井川の河口地域では度重なる洪水に悩まされていました。洪水による土砂が原因で大井川の冷たい水が田んぼから湧き出てしまい、稲が育たなくなってしまう事態に。この状況を打開しようと、養鰻業を取り入れたのがきっかけです。魚介類の加工を行う焼津港が近くにあり、大量の魚のアラがうなぎの餌になった為、味が良いことで知られ、お土産・贈答品としても人気です。
うなぎの養殖他、シラス漁、レタス栽培など一次産業が主流でしたが、1969年の東名高速道路吉田ICの開設を機に工場の立地が進み、産業構造が変化すると共に人口が増加。2016年には防災対策と賑わいづくりを一体的に推進する「シーガーデンシティ構想」を掲げ、より暮らしやすい町づくりを目指しています。
友也さんとひろ子さんに、ブレンドやカフェオレベースのおすすめの飲み方を聞いてみると、「少し手間がかかってしまいますが、シロネコブレンドやショコラブレンドは、ネルドリップで淹れると深煎りのいいところがうんと出てきます。カフェオレベースは炭酸水で割るとおいしいですよ」とコッソリ。
ネルドリップとは、「ネル」と呼ばれる布製のフィルターを使用して珈琲を淹れる抽出方法のこと。お湯の温度は低めに、粗挽きで豆の量を多めに、とちょっと贅沢な淹れ方です。珈琲好きな方や、慣れてきた方はぜひやってみてくださいね。
商品規格 |
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商品について |
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ショップ情報 |
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2023/07/17
富士宮にあったときにはよく豆を購入しに行っていました。
お店が移転してからなかなか行けていなかったのですが、ネットでオリジナルのセットが購入できるとのことで、とてもうれしいです。
シロネコさんのコーヒーはコーヒー苦手なかたでも飲みやすいと思います。あと、私は香りが好みなのでおすすめです。
2023/07/10
シロネコを知ったのは、職場の方からお祝いでシロネコブレンドいただいたのがきっかけ。
ダークな味わいで、濃い〜〜〜のが好きな私にはピッタリでした!
東京に住んでいるのですが、お店にも行ってみようと画策中です。その時はよろしくお願いします!